最近youtubeに投稿されたワンオペの飲食店のお店の動画をよく見ています。
若いころは飲食店の忙しくて地味な仕事があまり好きでなかったのですが、年を取り人並みの経験を積むと、一人で自分の好きなように働くのも結構魅力的だと思うようになりました。
朝から晩まで黙々と毎日働き続けるワンオペといわれる働き方。
超人的な労働時間でびっくりするような動画が投稿されています。
中には儲けよりもお客さんの喜ぶ声がうれしくてといって、採算とれているのか大丈夫かと心配になるくらいのお店があります。
でも何年もそんな調子で商売をやっているお店を見ていると、大変ながら商売のコツがあるのだとなんとなく理解できます。
今回紹介するのは、地元さんの醤油にこだわった竹岡式と呼ばれる漁師町発祥のラーメンの作り方を実践している”醤家”というお店が気になりました。
チャーシュー1本ください
人づてに聞かなければまず辿り着けないような、ひっそりとしたローカルのラーメン店。常連の地元客で席が埋まる、田舎道にある観光客向けとはほど遠いお店です。
この店の主役は、なんといってもチャーシュー。初めて訪れた人でも、一度食べると「今度はダブルチャーシューだな」と思わず口にしてしまうほどで、実際、丼いっぱいにチャーシューを並べた「ダブルチャーシュー」を注文する人がとても多いのだとか。なかには「チャーシュー1本ください」と丸ごとお持ち帰りを頼む常連さんもいるほどで、1本あたりのお値段はだいたい2,600円前後。家でお酒のつまみにしたり、家族への土産として買っていく人が多いようです。
ラーメンの見た目も印象的で、丼の表面がチャーシューの花びらで覆われたようなビジュアル。麺が見えないほど肉で埋め尽くされた一杯は、写真を撮る間も惜しくなる迫力があります。とはいえ、派手さだけを狙ったものではなく、「肉をしっかり味わってほしい」という店主の思いが伝わってくる構成です。
面白いのは、そのチャーシューの仕込み方と営業スタイル。店主によると、チャーシューは営業時間中、ずっと煮込み続けているのだそうです。「夕方になれば、またでき上がるよ」という感覚で、ラーメンを作りながら並行してチャーシューも仕上げていく。専用の仕込み時間を別に設けるのではなく、営業と同時進行で行うことで、作業のムダを極力省いているのが特徴です。
ラーメン作りそのものも、最近よくある“手間ひまかけた複雑な一杯”とはまったく逆のアプローチ。麺の扱いからスープの取り方まで、「こだわりの工程を積み重ねる」というより、「必要な要素だけを残して徹底的にシンプルにする」という感じに近いでしょう。野菜を長時間炊き出したり、何種類もの素材をブレンドしたりといった派手な仕事はしていません。そのぶん、ワンオペでも店全体を切り盛りできるように設計されており、「人を増やしてまで複雑にしない」という哲学がにじみ出ています。
では、どこにこの店ならではの“こだわり”があるのか。答えは、スープのベースとなる醤油です。使うのは地元産の醤油で、店主いわく「うちのラーメンは、この醤油が命」。店に足を踏み入れた瞬間、鼻をくすぐるのは動物系スープの匂いではなく、醤油が立ちのぼる香り。店内は、濃厚な醤油の香りで満たされており、その時点ですでに「ここは普通のラーメン屋とは違うぞ」と感じさせてくれます。
スープの作り方も独特です。まずチャーシューを煮込むときに使うのが、その地元醤油をベースにしたタレ。このタレ自体が強烈なうまみを湛えており、チャーシューの味付けであると同時に、ラーメンの“核”にもなっています。注文が入ると、店主は麺を茹で上げ、その茹で汁でチャーシュー用の醤油ダレを割ってスープを作ります。つまり、一般的なラーメンのように、別鍋で長時間煮込んだ動物スープを用意するのではなく、「チャーシューの煮汁+麺の茹で湯」で完結しているわけです。
この作り方のおかげで、工程は驚くほどシンプル。それなのに物足りなさを感じないのは、チャーシューから出た脂やうまみ、そして何より地元醤油の奥深い風味が、スープ全体をきっちり支えているからでしょう。何種類もの出汁を重ねて複雑な味わいを生み出すラーメンとは対照的に、「素材の持ち味を信じて、余計なことはしない」という潔さが光ります。
つまりこの一杯は、「何時間も炊き込んだスープのハーモニーを楽しむラーメン」ではなく、「チャーシューと醤油、その2つの魅力に全振りしたラーメン」。装飾をそぎ落とした結果、むしろ個性が際立っているタイプです。
この独自のスタイルは「竹岡式」と呼ばれ、千葉県の漁師町で生まれた文化でもあります。海で働く人たちが、短時間で、しかししっかり満足できる一杯を求めた結果生まれたとも言われており、その合理性と力強さは、現代のラーメンブームの中でも異彩を放っています。
初めて訪れるなら、ぜひカウンターから店主の仕事ぶりを眺めながら、「ダブルチャーシュー」と、できれば「チャーシュー1本ください」とテイクアウトもお願いしてみてください。シンプルなのに忘れられない、竹岡式ならではの世界が、じわじわとクセになっていくはずです。
ゆで汁がスープの素
店の名は「醤家」。その名の通り、主役は醤油だ。とはいえ、どんな醤油でもよいわけではない。地元で作られる醤油だけを使い、その風味を最大限に生かすことを前提に、ラーメンづくりが組み立てられています。もうひとつのこだわりは麺。店主によるとこの麵がスープにマッチしていると自信を示しています。
本家の竹岡式では乾麺を使用していて小麦の香りがスープと絡み合うらしい。
小麦なら何でもいいと思いがちだが、小麦の生産地で味も香りも違ってくるとのことです。
店があるのは茨城県。客のなかには、わざわざ栃木県から足を運ぶ人も少なくない。住所を聞かなくても、自然と県境に近いエリアを思い浮かべてしまう立地。通りすがりにふらりと入る店というより、「あのラーメンを食べに行く」目的で車を走らせるタイプの店といえます。
もうひとつ印象的なのは、その営業スタイル。コンビニの一角にラーメンコーナーを設けている店は全国にもありますが、醤家は単なるイートインとは違います。コンビニの中に、しっかりと独立したラーメン店のスペースを構え、カウンター越しに店主が麺をゆで、スープを仕上げていきます。コンビニの便利さと、専門店の本格感が同居している、少し不思議な空間。
提供されるラーメンを目の前にすると、まず目を奪われるのがチャーシューです。丼の表面がすべて覆われてしまうのではないかと思うほど、大ぶりのチャーシューが広がり、まるで「チャーシューの皿」を食べているようにさえ見えます。麺やスープだけでなく、チャーシューもまた、この店の看板なんです。
仕込みの様子を見ていると、その作り方は意外と飾り気がない。煮込んだ肉を、醤油ベースにどっぷりと漬け込み、営業時間中もタレに浸したまま味を染み込ませ続けるスタイルです。余計な香味野菜やスパイスでごまかさない分、醤油の風味と肉の旨味が真正面からぶつかってきます。口に入れると、はっきりと「濃い」と感じる味付けで、そのパンチのある味は、ラーメンの具としてだけでなく、酒のつまみとしても成立しています。
コンビニの中で営業されているラーメン屋
普通ラーメンをゆでるとゆで汁をできるだけ絞ろうと、シャカシャカふって絞りますが、このラーメン店では、麺をゆでた時のゆで汁で割ったのが、スープ。つまりゆで汁を捨てないやり方です。
うまいのかというとうまい、テレビでも放映されたらしい。徐々に認知されて、最近ユーチューバの作った動画で店の近況を知ると、一日限定50杯。3時間のみに変化したようです。メディアへの露出が進むと一気に火がついてきますね。
コンビニの営業責任者はご主人のようで、そこでもコロッケなどの総菜を作って販売しています。
ラーメン店が繁盛するにつれコンビニの売り上げも期待でき相乗効果がでてきます。
こうなると、休みの日に訪れる観光地のような雰囲気にもなりますね。
家族そろって食事とドライブで、一日が楽しめます。話のタネになるし、思い出にもなるので興味にわいてくるラーメンですね。
